委員長あいさつ

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日本宗教研究諸学会連合 委員長 島薗進

 

委員長挨拶

島薗進(東京大学名誉教授)

2020年10月1日

  日本宗教研究諸学会連合(略称:JFSSR、英語名:The Japanese Federation of Societies for the Study of Religions)は、日本学術会議と連携しながら、日本における宗教研究諸分野の交流と向上を図ることを目的として、2008年4月に発足した団体です。

  学問を取り巻く環境は厳しさを増しています。経済的な合理性が求められるなかで、すぐには利益を生まない学術の存在意義を政府と市民社会に示しつつ、求められる学術情報の提示や政策提言、そしてよりよき社会のための合意形成への貢献を進めていかなくてはなりません。

  学術コミュニティの社会的責任を果たすべく、日本学術会議も2005年に大きな変革を経て、新たな体制をとり、自己吟味を重ねつつ、前進しようとしています。この動きに対応するために、宗教研究の諸学術団体が協議を重ね、この諸学会連合が形成されました。現在のところ、日本の宗教研究関係30団体が参加していますが、参加団体数は今後も増加すると考えています。

  本連合の目的は、上記の連携と交流から得られた成果を社会に広く発信・還元するとともに、他国の研究者たちとの積極的な国際交流を促進することにあります。具体的には次のような活動を行うことを考えています。

(1)宗教研究における諸分野の連携、協力の推進、国際協力の強化。
(2)公開シンポジウムの開催。
(3)日本学術会議諸活動に関する情報提供と支援。
(4)その他、前条に掲げた目的を実現するために必要な活動。

  本学会連合は結成後、10数年を経て、その間の活動の蓄積を踏まえ、さらに新たな展開を進めていこうとしています。日本および世界的にみても、さまざまな角度から宗教研究の重要性が再認識されているなか、日本の宗教研究の諸成果を内外に幅広く発信していくことは、宗教研究諸領域のさらなる発展はもとより、関係学領域の社会貢献にも大いに役立つであろうと確信しております。