2025年公開シンポジウム「分断化する社会の中で対話は可能か--ポスト・ソーシャルメディア時代の社会構築 」開催報告


2025年12月21日(日)に本連合共催のシンポジウムを開催いたしました。
ご来場いただいた皆様、誠にありがとうございました。

シンポジウムの資料は次のプログラムに埋め込まれたリンクからご覧になれます。

当日の資料は以下のプログラムからダウンロードいただけます。

シンポジウムの動画(第一部のみ)は次のURLからご覧になれます。
2026年1月末までの期間限定公開となります。
https://www.youtube.com/watch?v=jjzk8goHMDk&t=1s


日本学術会議哲学委員会主催公開シンポジウム
「分断化する社会の中で対話は可能か--ポスト・ソーシャルメディア時代の社会構築」
共催:日本哲学系諸学会連合、日本宗教研究諸学会連合

日時:2025年12月21日(日)13:00~17:00
会場:立教大学池袋キャンパス11号館地下AB01教室

開催趣旨:
 今日の社会における利害や意見の対立は、共存や相互承認に至ることなく、激しい分断へと導かれてしまうことは、各国の政治状況を見ても明らかである。この分断の過激化は、コロナ禍によって対面交流が制限されるなか、より支配的なコミュニケーション手段として成長したソーシャルメディアによって加速したとも言われている。ソーシャルメディアや動画共有サイトの発達は、人々の情報共有を容易にしたが、一方でフィルターバブルなどとよばれるアルゴリズムは人々の分断を促進している。考えが異なる者を敵とみなし攻撃することは、ネット上だけでなく現実社会でも日常化しつつある。
 他方、SNSを利用したポスト・トゥルース的な政治への批判、若年層へのSNSの禁止、AI開発の制限、ネット使用の自己抑制など、情報技術に対抗するポスト・ソーシャルメディア社会ともポスト・ネット文化とも呼べる新しい方向性が生まれつつある。この傾向が、さらに従来の分断を大きくする可能性を孕んでいる。
 そこで、本公開シンポジウムでは、ソーシャルメディアによって変容した現代の人間関係を踏まえながら、今後、どのような形で今ある分断を、対立や対峙へと取り戻すようなコミュニケーションが可能なのか、どのような形で、分断した同質的共同体を、不和と緊張を含んだ社会へと成長させることができるのか、その対話の可能性を追求したい。

第一部 シンポジウム 「SNS時代の真理と自己」

司会 吉水 千鶴子(日本学術会議第一部会員/筑波大学名誉教授)

13:00〜13:10開会挨拶・趣旨説明
河野哲也(日本学術会議 第一部会員/立教大学文学部 教授/日本哲学系諸学会連合 事務局長)

13:10〜13:35「自己デザインに抵抗する〈私〉――誰かといる不自由を自由に選ぶ
岩内 章太郎(豊橋技術科学大学准教授)
1987年、札幌生まれ。早稲田大学大学院国際コミュニケーション研究科博士後期課程修了。博士(国際コミュニケーション学)。専門は現象学を中心とした哲学。著書に『星になっても』(講談社)、『〈私〉を取り戻す哲学』(講談社現代新書)、『〈普遍性〉をつくる哲学』(NHKブックス)、『新しい哲学の教科書』(講談社選書メチエ)、『現象学とは何か』(共著・河出書房新社)など。

13:35〜14:00「洞窟の中の〈私〉、洞窟に映る〈世界〉――ポストメディア時代を考える
遠藤 薫(日本学術会議連携会員/学習院大学名誉教授)
東京大学教養学部卒業、東京工業大学大学院修了、博士(学術)。専門は理論社会学、社会情報学、計算社会科学、メディア論。著書に『廃墟で歌う天使――ベンヤミン『複製技術時代の芸術作品』を読み直す』(現代書館)、『ロボットが家にやってきたら…――人間とAIの未来』(岩波書店)、『ソーシャルメディアと公共性』(東京大学出版会)、『災禍の時代の社会学』(共著・東京大学出版会)、『洞窟の中の〈私〉、洞窟に映る〈世界〉(仮)』(近刊)。

14:00〜14:25「ソーシャルメディアと「家族の価値」――宗教者女性が支える米国草の根保守
佐藤 清子(東京大学大学院人文社会系研究科助教)
東京大学大学院人文社会系研究科博士課程修了。博士(文学)。2022年より現職。著書に『宗教の自由と不寛容のアメリカ史――一九世紀の反カトリックとプロテスタント』(東京大学出版会)。近著に「政教分離か「歴史」「伝統」としての宗教か――アメリカ合衆国の教育をめぐる攻防」(『現代宗教2025』)。

14:25〜14:50「SNSにおける論破のコンテンツ化とその影響
戸谷 洋志(立命館大学大学院先端総合学術研究科准教授)
専門は哲学、倫理学。法政大学文学部哲学科を卒業し、2019年大阪大学大学院文学研究科博士後期課程修了。博士(文学)。現代ドイツ思想を中心にしながら、テクノロジーと社会の関係、および現代社会における責任のあり方について研究している。主著に『SNSの哲学』(創元社)、『スマートな悪――技術と暴力について』(講談社)、『詭弁と論破――対立を生みだす仕組みを哲学する』(朝日新書)など。

14:50〜15:00 休憩

15:00〜15:10 コメンテイター・指定質問者
吉岡 洋(日本学術会議第一部会員/京都芸術大学教授)
専門は美学・芸術学。京都大学文学部・大学院文学研究科を修了し、主として18世紀から現代までの美学、現代アート、メディアアート、情報文化論について研究するかたわら、美術展企画や批評誌の編集、映像インスタレーション作品の制作なども行ってきた。主著に『情報と生命』(共著・新曜社)、『〈思想〉の現在形』(講談社選書メチエ)。近著に『AIを美学する──なぜ人工知能は不気味なのか』(平凡社新書)など。

15:10〜15:40 総合討論

第二部 哲学カフェ

総合ファシリテータ:河野 哲也
15:50〜16:10 哲学対話の説明 河野 哲也
16:10〜17:00 哲学カフェ
第一部の提題をテーマにして、一般参加者と登壇者が一緒になって哲学対話を行います。

閉会挨拶

中村征樹(日本学術会議会員/大阪大学全学教育推進機構教授)

お問い合わせ 日本宗教研究諸学会連合事務局 office.jfssr2008@gmail.com

シンポジウムのポスターはこちらのリンクからダウンロードできます。
https://jfssr.jp/wp/wp-content/uploads/2025/07/46df9856215dd405caf0dc10c05ac368.pdf