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日本宗教学会第77回学術大会(大谷大学)におけるパネル発表のご案内

2018年度日本宗教学会第77回学術大会(大谷大学)において、日本宗教学会・宗教研究諸学会連合共催パネルを開催いたします。

パネル題目「宗教研究の振興と学会・学会連合の役割―学術会議との対話―」

日時:2018年9月9日(日)13:15~15:15
場所:大谷大学本部キャンパス慶聞館 K214教室
〒603-8143 京都市北区小山上総町
アクセス:京都市営地下鉄烏丸線 国際会館行「北大路」駅上
詳細は大谷大学のサイトにてご確認ください。
http://www.otani.ac.jp/nab3mq0000004vfa.html

参加方法:本諸学会連合加盟学会の会員の方は、開催日から1週間前までに、本諸学会連合事務局にメール(jfssr20084@gmail.com)でお申し込みいただければ、無料でご参加いただけます。 (それ以外の方は、当日、宗教学会大会受付で参加費1000円をお支払いください。)

内容:
挨拶 岡田 真水(日本宗教研究諸学会連合副委員長・日本学術会議哲学委員会幹事)

発表① 藤原 聖子(日本宗教研究諸学会連合幹事・日本学術会議第一部副部長・東京大学教授)
「宗教学会の状況―他分野学会と比較して―」

発表② 斎藤 明(日本印度学仏教学会元理事長・国際仏教学大学院大学教授)
「インド学仏教学は『社会的要請』にいかに応えるのか」

発表③ 土井 健司(日本宗教研究諸学会連合幹事・日本基督教学会専務理事・関西学院大学教授)
「神学・キリスト教学の現状と将来にむけて」

発表④ 土屋 昌明(日本道教学会理事・専修大学教授)
「日本における道教研究の有効性について」

コメンテータ 井野瀬 久美恵(日本学術会議第23期副会長・甲南大学教授)

要旨

この数年間、政府の科学技術イノベーション戦略の裏で進む、文系諸学や基礎研究の軽視が問題化されている。この状況に対して、個々の大学だけでなく、学会が連携して取り組めることはないだろうか。宗教研究の基盤を維持し、さらなる発展を図るために、関連学会と日本宗教研究諸学会連合は何ができるだろうか。
これまでのところ、「文系の危機」は大学、なかでも国公立大学の文系学部廃止論としてもっぱら議論されている。ところが、他の人文諸学に比べ、宗教研究の特徴の一つは、必ずしも大学ばかりを研究機関とはしておらず、学会の会員にも大学に所属せずに研究している者が少なからず含まれているということである。よって、2015年の文科相による「6.8通知」の受け止め方も、宗教研究関連学会のなかでは一様ではない。大学のポストが先細るなかで、宗教研究の諸学会はオルタナティヴな研究の生き延び方を示しているのか、それとも別の形での梃入れを必要としているのか。
こういった根本的な問題を考察する手がかりとして、本パネルは、日本学術会議第一部(人文・社会科学部門)から2017年に発出された提言「学術の総合的発展をめざして―人文・社会科学からの提言―」http://www.scj.go.jp/ja/info/kohyo/pdf/kohyo-23-t242-2.pdf(以下、「2017提言」と表記)への応答という形で進める。
すなわち、各発表者はそれぞれ日本印度学仏教学会、日本基督教学会、日本道教学会、日本宗教学会(日本宗教研究諸学会連合の運営委員会を構成する諸学会)について、
・当学会の宗教研究は、2017提言で掲げられたような社会的要請(狭義の「社会のニーズ」ではなく、「目には見えにくくても、長期的な視野に立って知を継承し、多様性を支え、創造性の基盤を養うという役割を果たす」こと)に応えている/応えることができる
・そのように役割を果たしていることを、対外的にこのように説明・アピールしている
・当学会の宗教研究は、大型の研究資金、設備をこのようなところで必要としている
・当学会は、学会の活性化、研究の振興のためにこのような試みを行っている
・当学会は、若手研究者育成のためにこのような試みを行っている
・当学会は、女性研究者支援のためにこのような試みを行っている
といった、2017提言の主要な論点のうちいくつかに絞って、自らの考えるところと学会の状況について報告する。それを通して、必要性は認識されているが手を打てていない課題に関して、学会間の横の連携や学術会議との連携により取り組むことができる部分を抽出していく。
進め方としては、まず第1発表者の藤原が、パネルの趣旨、2017提言と日本宗教学会の特徴を他分野学会と比較しながら説明した後、
第2発表者の斎藤氏は、日本印度学仏教学会の取り組みと、斎藤氏自身が手がけてきた翻訳に関するプロジェクト(バウッダコーシャ)を一例として、インド学仏教学は「社会的要請」にいかに応えるか、またその際に直面する課題はなにか、について再考する。
第3発表者の土井氏は、日本基督教学会の改革の状況と新しいプロジェクトを紹介した上で、数量化、可視化、結果主義とも言うべきものが力をもつ社会において、神学・キリスト教学という学問の有り様を「説得力」という視点から再検討する。
第4発表者の土屋氏は、中国宗教(とくに道教)研究の社会的必要性について、日本あるいは日本人の立場から研究する有効性(宗教文化史的観点、国際交流的観点など)および普遍的で現代的な観点(環境問題の考え方など)から研究する有効性について論じる。
コメンテータには、2017提言作成において中心的役割を果たされた、日本学術会議前副会長・井野瀬久美恵氏をお招きし、連携の可能性を具体的・現実的に議論する。