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2011年12月3日シンポジウム「いま、ともに、古典(伝統知)に学ぶ意義を、考える―現代文明の危機をのりこえるために―」開催

日本学術会議哲学委員会 公開シンポジウム
「いま、ともに、古典(伝統知)に学ぶ意義を、考える―現代文明の危機をのりこえるために―」

科学・技術の発展を旗頭とする近代社会の革新性は、産業革命を経て人類社会に未曾有の物質的繁栄をもたらしてきた。しかしその一方では人口爆発、エネルギー枯渇の危機、環境破壊、そして倫理観の荒廃などといった現代文明の危機とも言うべき負の遺産を招いている。折しも東日本大震災とその後の福島第一原子力発電所の災害に見舞われ、まさに科学・技術主導のもと、商業主義的グローバリゼーション化の波に押し流されようとする現代日本社会のありようが、今、深く問われている。「旧弊」を脱し、たえず「新しい」真理と、「新しい」技術を生み出すことで活路を見出してきた科学・技術一辺倒の時代思潮の中で、世界の諸文明における古典的価値・規範体系の伝統は、ひたすら解体へと向かっているように思われる。はたしてそれでよいのだろうか。
むしろ今こそ、「温故知新」の知恵が求められているように思われる。古より伝えられてきた伝統知の集積―そこには宗教聖典やさまざまな分野で読み継がれてきた古典テキスト、名著が含まる―に対して、時代・社会に即応した新たな解釈を紡ぎだす営み―それを「古典精神」と呼びたい―を通じて、伝統文化の温もりと共同社会の絆の意味を再認識しなければならないのではないだろうか。
主体と客体を峻別し、理性を伝統的権威から切り離し、自然世界をいのちあるものから切り離すという具合に、ものごとの境界を明確にすることによって思考は明晰となり、諸科学の発達を促すことにはなったかもしれない。しかしこうしたドライな分析思考の一人歩きが、個人主義、競争原理および市場原理とタッグを組むことによって、結果的には人と人、人と伝統・歴史、人と社会、人と自然世界の間の溝がますます広がり、さまざまな意味で人は孤立化の危機にさらされているように思われる。他者(人・社会・伝統・自然)との豊かな交わりの中で、「いま」「ここに」「私が」生きる意味を取りもどすためには、こうした孤立した個人と競争の原理に立脚した科学・技術一辺倒の時代思潮とは別の地平から、未来社会への展望を開く必要がある。
そのような展望を開くための一つの重要な視点として、上述した意味での「古典精神」を掲げたい。すなわち、営々と続いてきた人類の営み―それは諸文明、諸文化の栄枯盛衰を経つつも、何らかの意味で通底する価値(生きる意味)を継承してきたはずのもの―に底流として受け継がれ、あるいは地域社会に育まれ、蓄積されてきた伝統知、伝統文化の意味を、あらためて深く問い直すべき時ではないかと考える。
以上の問題意識から、日本学術会議哲学委員会は、〈古典精神と未来社会分科会〉の企画のもとに、日本哲学系諸学会連合ならびに日本宗教研究諸学会連合とともに、下記の次第で、公開シンポジウム「いま、ともに、古典(伝統知)に学ぶ意義を、考える―現代文明の危機をのりこえるために―」を開催するに至った。どうか皆様の積極的なご参加をお願い致します。

主 催:日本学術会議哲学委員会・日本哲学系諸学会連合・日本宗教研究諸学会連合
※問合せ先:シンポジウム企画事務担当 丸井 浩 hiroshimarui@hotmail.com
日 時:平成23年12月3日(土)13:00~17:00
場 所:日本学術会議講堂
※営団地下鉄千代田線「乃木坂」駅5番出口を出て左、徒歩1分。
アクセスマップ(日本学術会議ウェブサイト)

〈プログラム〉
司 会
丸井 浩(日本学術会議会員、東京大学教授/インド哲学)
小島 毅(日本学術会議連携会員、東京大学教授/中国思想)

13:00~13:10 開会挨拶
野家 啓一(日本学術会議哲学委員会委員長、東北大学理事/哲学)

13:10~14:40 報 告(各パネリスト20分)
手島 勲矢(日本学術会議連携会員、関西大学非常勤講師/ユダヤ思想)
「対話する科学のための二つの名前:中世ユダヤの伝統知から」

三中 信宏(農業環境技術研究所上席研究員/東京大学教授/進化生物学)
「科学的思考と民俗知識体系の共存:進化するサイエンスの源を振り返る」

岡田 真美子(日本学術会議連携会員、兵庫県立大学教授/環境宗教学・地域ネットワーク論)
「地域ネットワークに生きる伝承知の重み」

服部 英二(地球システム・倫理学会会長/哲学・比較文明学)
「現代文明の危機と伝統知」

14:40~15:20 討議者(ディスカッサント)のコメント:全体討論に向けて
中島 隆博(日本学術会議連携会員、東京大学准教授/中国思想)
村澤真保呂(龍谷大学准教授/社会思想史)

15:20~15:40 休 憩

15:40~16:55 全体討議

16:55~17:00 閉会挨拶
西村 清和(日本学術会議哲学委員会副委員長、東京大学教授/美学)

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2011年9月18日公開シンポジウム「原発災害をめぐる科学者の社会的責任―科学と科学を超えるもの」当日スライドをPDFで公開

2011年9月18日公開シンポジウム「原発災害をめぐる科学者の社会的責任―科学と科学を超えるもの」当日スライドをPDFで公開いたしました。

「安全の科学」および「先進技術の社会的影響評価」の必要性 東京大学名誉教授 唐木英明

トランス・サイエンスの時代の学問の社会的責任 大阪大学コミュニケーションデザイン・センター小林 傳司

「科学的評価」は「正しい」か? 東京大学物性研究所 押川正毅

低線量被曝問題における「科学者」の対応の構造的な問題と「科学者」の信頼回復の道筋 東京大学 新領域創成科学研究科 社会文化環境学専攻 鬼頭秀一

多様な立場の専門家の討議、そして市民との対話―権威による結論の提示か、情報公開と対話か― 東京大学文学部・人文社会系研究科教授 島薗進

2011年9月18日シンポジウム「原発災害をめぐる科学者の社会的責任―科学と科学を超えるもの」開催

日本学術会議哲学委員会公開シンポジウム
「原発災害をめぐる科学者の社会的責任―科学と科学を超えるもの」

東日本大震災による福島第一原子力発電所の事故、それに続く深刻な放射能汚染や健康被害について、一般社会からは情報発信や説明責任の不十分さ、不適切さが厳しく批判されている。
日本の科学者・学界は、これらの問題に適切な判断を下し、十分な情報提供を行い、社会的責任を果たしてきたと言えるであろうか。そもそも関連する諸科学は、原子力発電にともなうさまざまなリスクを、あらかじめ適切に評価・予測し、十全な対策を提示することが可能なのだろうか。科学によって問うことはできるが、科学だけでは答えを出すことができない、いわゆる「トランス・サイエンス」の領域が急速に拡大し、複雑化しているのが、現代の最先端の知が直面している大きな課題である。このたびの福島第一原発災害の問題は、まさにそのような正負両面をもつ巨大な科学知・技術知の力を、どのようにしてコントロールすべきかという難問を、人文・社会科学を含むすべての科学者に強く投げかけている。だとすれば、今こそこの困難な課題に対して、さまざまな学問諸領域の専門知を総動員し、何をなすべきか、何をなしうるかを議論し合い、共通理解を深めるべき時ではないだろうか。
このような状況を踏まえ、日本学術会議哲学委員会では、自然科学系と人文学系の双方の専門家をパネリストに迎え、原発災害をめぐる領域横断的なコミュニケーションの場を設け、「科学と科学を超えるもの」についての問題意識を共有するとともに、原発災害に関わる科学者の社会的責任を見つめ直すためのシンポジウムを企画した。学問的に正確な知識・情報を的確かつ十全に市民に公開・伝達するという「学術と生活世界を媒介する」活動を科学者全般の重大な責務としてとらえ、深く問い直すための機会となれば幸いである。

主 催:日本学術会議哲学委員会・日本哲学系諸学会連合・日本宗教研究諸学会連合
日 時:9月18日(日)13:00?17:00
場 所:東京大学法文2号館文学部1番大教室
※ ご予約は不要ですが、スペースに限りがございます。
会場に入りきれない場合は何とぞご容赦下さい。

〈プログラム〉
司 会 金井淑子(立正大学文学部/倫理学)

13:00~13:10 開会挨拶
野家啓一(東北大学理事、日本学術会議哲学委員会委員長/哲学)

13:10~15:10 報 告(各パネリスト20分)
唐木英明
(元東京大学アイソトープ総合センター長・獣医薬理学)
小林傳司
(大阪大学コミュニケーションデザイン・センター/科学哲学、科学技術社会論)
押川正毅(東京大学物性研究所/理論物理学)
鬼頭秀一(東京大学新領域創成科学研究科/環境倫理学)
島薗 進(東京大学人文社会系研究科/宗教学)

15:10~15:30 休 憩

15:30~16:50 全体討議

2010年11月28日 シンポジウム「哲学・倫理・宗教教育はなぜ必要か」開催

シンポジウム「哲学・倫理・宗教教育はなぜ必要か 初等・中等教育における哲学・倫理・宗教教育の意義と可能性」
開催概要

主催:日本学術会議哲学委員会/日本哲学系諸学会連合/日本宗教研究諸学会連合
後援:哲学系4学会高校公民科教育連絡会
企画:日本学術会議哲学委員会哲学・倫理・宗教分科会

日時:11月28日(日)13:00?17:00
場所:日本学術会議講堂

報告
桑原直己氏(筑波大学教授)
「初等・中等教育現場における倫理・道徳教育の現状と課題」
下田正弘氏(東京大学教授)
「倫理教育と宗教」
直江清隆氏(東北大学准教授)
「市民形成の基礎としての哲学教育に向けて」
山中 弘氏(筑波大学教授 連携会員)
「日本の宗教教育をめぐる論点と課題」
コメント
佐藤 学氏(東京大学教授 会員)
司会
氣多雅子(京都大学教授 連携会員)
宮家 準(慶應義塾大学名誉教授 連携会員)
開会挨拶
野家啓一(東北大学教授 哲学委員会委員長)
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